いつもと変わらない朝。そのはずだった。目の前を歩いていた女の子が足を滑らせ、落ちてくるまでは――。 『Th12の完全型脊髄損傷』 ベッド脇に立った初老の医師は、重々しくそう告げた。さらに彼は、銀縁の眼鏡を指先で押し上げながら続けた。 「残念ながらも…
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